筆文字の魅力って、どんなところ?


ここにある作品は、私が最初の頃に書いたものです

この作品は、筆文字に出会って間もない頃に書いたもの。
「和顔愛語(わがんあいご)」——やさしい笑顔と、あたたかな言葉。
まだまだ文字を崩すことには慣れていなかったけれど、
このときの私は、この作品に感動していました。

「こんな風に書けるんだ…!」

自由に描くことの楽しさ、心から感じた瞬間です。

今見れば、もっと大胆に表現できるかもしれません。
でも、あのときの精一杯の「自由」も、私にとってはかけがえのない一歩でした。


「字に苦手意識がある…」そんなあなたへ

突然ですが、みなさんは「字」に対して、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「きれいに書かなきゃ」「うまく見せなきゃ」
そんな風に思って、いつのまにか表現する楽しさを忘れていないでしょうか。

私が筆文字に惹かれた理由のひとつは、
**「うまくなくてもいい」「自分らしくあっていい」**という安心感でした。

にじんでも、かすれても、揺れていても、それが味になる。
筆文字は、そんな自由さをまるごと受けとめてくれる世界です。


気持ちを宿す「言葉のアート」

筆文字の魅力は、文字そのものだけではありません。
そこに込める**“気持ち”や“想い”**が、しっかりと伝わっていくところにもあります。

たとえば「ありがとう」という言葉。
ただ書くのではなく、丁寧に一文字ずつ向き合って書くと、
不思議とその気持ちが、文字に宿るように思えるのです。

見る人の心に響くのは、形の美しさだけではなく、
“あなたらしさ”や“想い”が乗っているかどうか。

それが、筆文字の奥深い魅力なのかもしれません。


「自由に書いていいよ」が難しい

…とはいえ、「自由に書いていいよ」と言われても、
戸惑ってしまう方も多いかもしれません。

子どもの頃は、真っ白な紙に、思うままに描いていたはずなのに。
いつの間にか「こう書くのが正しい」「こうするのが普通」と教えこまれ、
大人になると“自由”に対して不安や戸惑いを感じてしまうものです。

実は私も、そうでした。


初めて筆文字に触れた日

筆文字に初めて触れた日、最初に書いたのは「自分の名前」。
まっすぐで、きちんと整った、いわゆる“正しい字”。

でも、講座が進むにつれて、少しずつ文字をくずしていきました。

「え?こんな風に書いていいの?」
「これ、字じゃなくて絵じゃない?」

そんな戸惑いもありましたが、
「なんでもありだよ」と背中を押されて、
自分の中の枠がどんどん外れていく感覚に包まれていきました。

講座の終わりにもう一度書いた自分の名前は、最初とはまるで別物。
それはもう、楽しさと自由とがにじみ出た「私の文字」でした。


「自分に許す」って、最高の自由

「自由に書く」って、何も難しいことじゃない。
最初はお手本を真似してもいいし、ちょっとだけくずしてみてもいい。

大切なのは、自分の表現を、自分でOKしてあげること。

それができたとき、私たちは本当の意味で、
自分を自由にできるのかもしれません。


あなたにとって、筆文字の魅力って?

ここまで読んでくださったあなたに、最後に問いかけたいことがあります。

あなたにとって、筆文字の魅力って、どんなところでしょうか?

上手に書くことよりも、心を込めて書くこと
形よりも、自分らしさや気持ちを大切にできること。
そして何より、自分自身を解放してあげる時間になること。

筆文字には、そんな温かく、自由な魅力がたくさん詰まっています。


もし、まだ筆文字を体験したことがないなら…
ぜひ一度、あなたの“ことば”を、自由に紙の上に表現してみてください。

あなたの中の「まだ出会っていない自分」に、きっと出会えるはずです。